2009年06月03日
MFTOTのインパクト: パキスタンの貧困問題とマイクロファイナンスの活動について語るムハンマッド・ハッサンさん
貧困は、人を壊す。ムハンマッド・ハッサンさんは、実感を込めて語ります。
生活のために人間の尊厳や名誉を売り渡し、我が子を売る他選択がなかった人たちを、パキスタンの故郷で見てきました。
「16歳から28歳の娘を一晩、または生後6ヶ月から2歳の子供を子宝に恵まれない夫婦に売るなど、家族の状況次第。」貧困は希望を絶つ毒であると言います。
29歳のハッサンさんは、パキスタンの貧困削減戦略・マイクロファイナンス開発計画の一環として2000年に設立されたカシャーリー銀行(英語)に勤めています。
2004年6月に就職し、初めてマイクロファイナンスを知るようになりました。顧客サービスの仕事に就き、知識を広めようと模索する中、友人からの情報によりTDLCとアジア開発銀行研究所(ADBI)(英語)が共同で行うマイクロファイナンス・トレーナー・コース、MFTOTと出会いました。
そして融資スペシャリストとして働きながら、MFTOTを受講することを決意。しかし当時はプログラム費用の50ドルを払うことが出来ませんでした。「まだ給料は少なかったのです。」
スポンサーシップにより金銭問題は解決。教材のテキストとCDが届き、遠隔ラーニングの集中講義が始まりました。
カシャーリー銀行初のMFTOT終了者となり順調に昇給し、今では支店リレーションシップ・マネージャーとなったハッサンさんの収入は約30パーセント上がり、責任あるポジションに出世しました。「今では問題なくコース費用の50ドルを払うことが出来ます」と明るく話します。
学生時代はバスケット選手として活躍したスポーツマンのハッサンさんは、新人トレーニングも任されるようになりました。支店の人間として初めて社員教育を行うことになり、周囲の期待を一身に受けて20代から30代のオフイサーら30人を対象にマイクロファイナンス・トレーニングを施しました。生徒となった若手らは各支店前線部隊の面々で、フィールド活動の全体責任を担っています。ハッサンさんは、MFTOTコースで身に着けた知識やスキルを、地元パキスタンで懸命に、確実に広めています。
「誰でも夢を持っています。それは、貧しい人が食事を求めることであったり、住まいを手に入れたいと願うこと、また何らかの技術を持つ人が、小さな商売やビジネスを夢見ることだったり。そんな人たちを手助けしたいと考えています。」
自分が生まれる前に他界した祖父も貧しい農民だったというハッサンさん。「祖父が今生きていたならば、マイクロファイナンスの専門知識を活用して助けることも出来たはず。」
「小規模農家や小売業者、何らかのスキルを持ってはいるものの、金銭的な事情によって自分のビジネスを持てない人を、ヘルプしたい。最たるクライアントは、家族のために頑張りたい人。家族への思いが、何よりも強力な、成功への原動力となります。」
夢を叶えるためにクライアント自身が努力していくことが出来るよう、ハッサンさんは努力を惜しみません。
「様々なニーズに応えられるマイクロファイナンス商品があります。マイクロファイナンスによって、皆助けられることが可能なのです。」
知識の普及を追及し、変化をもたらしていく
MBA課程の学生たちにも、ハッサンさんはマイクロファイナンストレーニングを行っています。ビジネススクールで起業家育成におけるマイクロファイナンスの役割について、またパキスタンの中央銀行主催の金融機関職員向けマイクロファイナンス商品・政策に関するトレーニングプログラムでもチューターを努めています。
MFTOTコース、またそのディスカッションフォーラムから得た知識やテクニックをパキスタンの現場で活用し広めながら、コース運営チームに対する感謝の気持ちを忘れることはありません。「プログラム公認トレーナーとなったこと、トレーナーコミュニテイの一員であることを誇りに思います」。
「この知識を普及させるために、出来るだけのことをしたいです。貧困の軽減に、マイクロファイナンスが重要な役割を果たすことが出来るように。マイクロファイナンスが、人生を変えるのです。」
「パキスタンには非常に貧しい人たちが何百万人とおり、何百万という人が一日1ドルで生活しています。マイクロファイナンスは生活水準を上げる素晴らしい可能性を秘めています。現在私は最貧困層のために、無利子商品を考えているところです。」
MFTOTで更に専門知識を深めたハッサンさんは人々の夢の実現の手助けをし、当事者やその家族はより良い暮らしを得ています。読書家で研究や革新、新しいアイデアに情熱を注ぐ若きトレーナーは、マイクロファイナンスの更なる勉強を続けると語ります――HOPING TO MAKE A DIFFERENCE――変化をもたらすために。
