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JointokyoGDLN|

2009年06月16日

MFTOTのインパクト:マイクロファイナンスのノウハウをモンゴルに広めるネルグイ・サンダグジャブさん

チンギス・ハーンや ゴビ砂漠、山や高原の国・モンゴルでは、3人に1人が貧困層に属するという深刻な現状が続いています。人口の5分の1以上もの人が、世界の貧困基準である1日1ドル25セントを下回るお金で生活しているとといった調査結果もあります。


モンゴルの第一号マイクロファイナンス・トレーナー・コース認定チューター、ネルグイ・サンダグジャブさん。今年発足させたNGO団体「TERI」事務所にて =2009年6月3日撮影、TDLC/ネルグイ・サンダグジャブさん提供

ネルグイ・サンダグジャブさんは1996年、世界銀行が支援するモンゴル国家貧困削減プログラムのマイクロクレジット専門家となり、その後金融政策の開発や政府関係者・中央銀行・商業銀行担当者らへのマイクロクレジット政策やプログラム関連トレーニングの実施、顧客ニーズやフィードバックなどの評価に携わってきました。
他にも新しい金融商品やサービスの開発にデザイン、学校施設の修復作業や農村部の病院、給水設備など開発プロジェクトの監視に身を投じ、貧困の削減を目標に努力を重ねています。
「仕事が、学習の旅に導いてくれました。金融面の課題と社会的状況を組み合わせることは、大変興味深いと思いました。この分野を離れたことは一度もありません。」

「モンゴル国家統計局によると、経済活動の活発な年齢層の失業率は2007年度で30パーセントでした。月額最低賃金は80米ドル。貧富の差が年々広がりを見せる中、首都に住む人たちの半数ほどは、きれいな飲み水やトイレの利用が限られた、劣悪な環境で暮らしているんです。」

MFTOTとの道のり

母国モンゴル以外にキルギスタンやウズベキスタンでも、国連の開発プログラムでマイクロクレジット・農村開発スペシャリストとして経験を積んでいるネルグイさん。「もっと何かを」と考え、マイクロファイナンスの知識を深めるため2005年にマイクロファイナンス・トレーナー・コースを受け、モンゴル初のMFTOT認定トレーナーとなりました。現在では13人増えたトレーナー仲間と共に指導にあたり、知識の普及に努めています。
「このコースを受けて、本当に良かったです。期待通りだったし、オンライン教育に触れる機会は初めてでした。実務者が理論スキルなどの向上を図ることの出来る内容ですね。」


米ニューヨークで国連資本開発基金(UNCDF)主催の会議に出席中、マイクロファイナンス・トレーナー・コース仲間、ベトナムのミン・タイさん(右)と記念写真に収まるネルグイ・サンダグジャブさん。 =2005年11月7日撮影、TDLC/ネルグイ・サンダグジャブさん提供

このコースによりもたらされた最も重要な成果は、国際的に広がる専門家のネットワークで、様々なマイクロファイナンス戦略への協力の機会が増えたと話します。

またマイクロファイナンスはもちろんのこと、遠隔ラーニングやブレンデッド手法を学ぶ機会としても非常に役立ったと明るく話します。「MFTOTコースは、生徒のマイクロファイナンス知識だけでなく、途上国では認識度の低いオンライン教育システムの理解を深めてくれるんです。マイクロファイナンスの技術的キャパシテイを構築に役立つとなると同時に、あらゆる開発関係トレーニングに応用できますよ。」

NGO発足

今年2月、ネルグイさんは同士らと手を結びNGO団体を発足。その名はTraining, Evaluation, Research Institute(トレーニング、評価、リサーチ協会)の頭文字を取った「TERI」。低所得者地域や貧しいコミュニテイ、水の衛生などフィールド経験豊富なエキスパートたちと力を合わせ、トレーニングやコンサルテイングの専門集団としてのスタートを切りました。


ニューヨークで国連資本開発基金(UNCDF)主催会議に出席するネルグイ・サンダグジャブさん。 =2005年11月7日撮影、TDLC/ネルグイ・サンダグジャブさん提供

「最も必要なのは、貧困削減や持続的な開発の分野において質の高いトレーニングや評価、調査を行うことです。不平等や貧困の要因がより深く理解されるための貢献をし、有効な戦略の知識をどんどん広めなくてはなりません。」と抱負を語ります。まだ規模が小さく、資金面で苦心しながらも現在TERIはMFTOTコースに使用される教材のモンゴル語ローカライゼーションに奮闘中。今月末開始予定の次回マイクロファイナンス・トレーナー・コース、MFTOT6が始まるまでに、何とか教材のCD-ROMモンゴル語版を完成させたいと話します。

「マイクロファイナンス実務者や学生たちが、英語ではなく母国語で学習できるようにして、もっと多くの人に働きかけていきたいと思っています。」
モンゴル語版ラーニング・パッケージは完成後、大学の選択科目としてTERIがプロモーションする予定。

プライベートでのネルグイさんは、既に成人し米国に住む子供を持つ母親です。仕事の都合で、昔は学校から学校へと、何度も転校させていたと苦笑します。「子供たちはとても協力的です。特に今となっては、母親の仕事をよく理解してくれていますよ。」

小規模事業を営むご主人のエルデヌ・オチルさんも、強力な味方です。オチルさんは昨年、米国語学留学を終えて帰国し、「開発が直面している様々な課題が、本当に理解できるようになった」とか。奥様が始めたNGOの管理を一手に引き受け、とうとう団体の代表執行役就任も承諾しました。
「主人までが、NGOに参加することになりました」と嬉しそうに話すネルグイさん。その情熱は、着実に広がりを見せているようです。

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