2009年08月31日
ビデオ講義「構造動力学の基礎」開催

2009年8月17日、東京会場からビデオ講義接続先・パキスタン会場世知画面に映し出された石山工学博士 =ペシャワール工科大学提供/TDLC
南アジア地域は古くから地震の被災・被害を経験しており、近年のパキスタン地震でも多くの人が犠牲となり、住居を失っています。
北海道大学名誉教授、ペルー国立工科大学名誉教授の石山雄二氏によるビデオレクチャーは当初、パキスタン政府の技術関係者やエンジニア、大学院生を対象に行うようペシャワール工科大学が提案。しかしこの内容に対する周辺地域の関心の高さを考え、パキスタンの隣国・バングラデシュ、ブータン、ネパールにもイベントを開放し、より広い範囲で、研究者、実務者両方を対象として知識の共有や交流を促そうとしたものです。
ビデオ講義は、自然災害からの復興に係る知識の発信を行っている国際復興支援プラットフォーム (IRP)の支援のもと、アジア防災センター (ADRC)が南アジア地域向け地震防災対策計画 (Earthquake Risk Reduction and Recovery Preparedness Programme, ERRP)の一環として、地震に対して安全な建物への構造的評価に関する知識の共有を目的に主催しました。

2009年8月17日、ビデオ講義に参加するパキスタン会場 出席者ら =ペシャワール工科大学提供/TDLC
TDLCコーデネーターにより現地サイトとの接続テストを経て8月17日、ビデオ講義が行われました。

2009年8月17日、ビデオ会議に参加するパキスタン会場 出席者ら =ペシャワール工科大学提供/TDLC
ビデオセッションは三時間にわたり繰り広げられ、司会進行役をカトマンズのUNDPリージョナル・コーデネーター、ソーヘル・カーン氏が努めました。ビデオ講義を最大限活用しようと、各国サイトにもそれぞれ現地司会者と、また建築構造の専門知識を持つ記録係が配されました。
講師を務めた石山氏は、構造工学・地震工学・建築構造の専門家。参加者たちはそのレクチャーを熱心に聞き、セッション後半には、活発な質疑応答、意見交換に移りました。

2009年8月17日、ビデオ講義に参加するパキスタン会場 出席者ら =ペシャワール工科大学提供/TDLC
司会進行役のカーン氏は、ビデオ講義について次のように語っています:「講義の実施は、現在南アジア5カ国で展開しているプロジェクト(ERRP)のために、大変参考になりました。国レベルにおける耐震構造の実務に適用可能なテーマは、参加者の知識を高める手助けとなりました。この講義は、建築の耐震構造を理解するために必要不可欠な重要課題に焦点をあてたものであったと、参加者たちは感想を述べています。」
イベントに参加した政府系エンジニアや大学関係者、プロジェクトチームメンバーらは、大いに有益な講義だったと口をそろえて評価しています。
「日本の災害リスク管理知識、特に地震や土砂災害、サイクロンなどに関する専門性は非常に高いものです。南アジア諸国の災害リスク管理実務者や研究者にとって、日本発の講義シリーズの実現が可能であれば、大変有益です。内容は、災害・リスク予測、安全な建築施工法・建築法規、地域社会の災害事前対策、などなどですね。」(カーン氏)
今回のイベントの成果を踏まえ、国際復興支援プラットフォーム (IRP)とTDLCはアジアの研究者や実務者向け技術コースを検討・協議中です。今後更に協力し合い、日本の専門家を計画的に招き、また大学などとも連携していく予定です。
