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第2回公共交通指向型開発実務者研修会合報告

~駅周辺・まち・沿線開発の計画実施を学ぶ~

2017年06月06日
Shinjyuku

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017年5月29日-6月2日、東京・横浜- 世界銀行東京開発ラーニングセンター(TDLC)は、2017年5月29日-6月2日に世界銀行公共交通指向型開発コミュニティ・オブ・プラクティス(CoP)、日本政府、都市パートナーシッププログラムのメンバー都市である横浜市の協力を得て、第二回公共交通指向型開発(TOD)実務者研修会合(TDD)を開催しました。本実務者研修会合は、ラーニングのセッションとともに渋谷駅、新宿駅、みなとみらい21地区および横浜駅の視察が含まれており、会合には計11か国(バングラデシュ、ブラジル、中国、ギリシャ、ケニア、パキスタン、フィリピン、セネガル、セルビア、タンザニア、ベトナム)からTOD関連の実務者や専門家が参加し、駅周辺、まち、沿線におけるTODプロジェクトの計画や実施について議論を行いました。

ジェラルド・オリビエ世界銀行トランスポート・クラスター長は、「駅周辺、まち、沿線開発の設計要素は、TODプロジェクトを進める際に重要だ。TODの成功例では、単なるシステムの構築ではなく、活力のあるコミュニティが建設されている。」と述べました。この開発過程には、都市、交通、経済開発の担当者と不動産開発業者の継続的な連携が必要不可欠です。

参加者は、本実務者研修会合で技術面での解決策を模索することを目指し、制度上の課題、現在の交通システムにTODを組み込む際の問題点や予算上の課題などを発表しました。

日本のTOD開発では、都市開発に鉄道開発を取り入れることを優先してきました。また、予算計画や実施の段階に様々な関係者を交え、成功に繋げました。国土交通省都市計画調査室の関信郎課長補佐は、TODには中央政府による財政支援、市民参画、また鉄道会社が利益を得ることが重要であると強調しました。

また、乗換駅の接続性の価値、場所の価値、経済的価値を考慮した3Vフレームワークについての説明や同3価値の相互作用について発表が行われました。Urban Morphology and Complex Systems Instituteのセルジュ・サラット代表は、世界銀行報告書「Transforming the Urban Space through Transit-Oriented Development」より具体的な例を用いて、土地開発利益還元(Land Value Capture: LVC)の実務的なフィードバック・ループについて説明を行いました。

Shibuya2

新宿駅、渋谷駅、横浜への現地視察では、日本のTOD現場を見学しました。130年の歴史を持つ渋谷駅は現在更なる利便性を目的に再開発が行われています。日本国際協力センター都市・住宅・地域政策グループ荒川辰雄総括は、渋谷再開発プロジェクト関連の報告書「Overview and Planning Process of Shibuya Redevelopment Project」から、TODの実現には複雑な課題の分類や関連ステークホルダーの最少化、構想設定と経済原理の説明及び中央政府や自治体のイニシアチブが必要であると説明しました。

Yokohama2

横浜市の例は、日本のLVCの成功事例の一つです。市は、景観を保ちつつ都市中心部の開発と既存の商業施設を組合わせ、住宅地を開発し、交通システムを発達させてきました。本実務者会合では、プロジェクトの予算やイニシアチブに関する質問が多く挙げられました。横浜市の天野友義都市整備局市街地整備部長は、土地の再開発計画や公共施設計画を含む開発のマスタープランは、市や中央政府がまとめ、商業施設や交通網の開発は民間セクターが行うと説明した上で、「市は、市の開発のために強いイニシアチブを持たなければならない。」と述べました。

TDD参加者は、最終日に本研修会合の教訓やそれぞれの国や都市に適した取り組みなどの行動計画をまとめました。具体的には、TODプロジェクトの計画や実施に3Vフレームワークを活用すること、国や自治体レベルの連携、人材育成や制度の見直しなどが挙げられました。

 


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