2010年03月25日
公開セミナー:アフリカにおけるソーシャルエコノミー(社会的経済)
世界銀行 東京開発ラーニングセンター(TDLC)で11月25日、ビデオ会議方式による公開セミナー「アフリカにおけるソーシャルエコノミー(社会的経済)」が開催されました。
国際労働機関(ILO) 駐日事務所(ILO)とTDLCの共同開催によりアデイスアベバ、ダルエスサラーム、TDLCの専門家らと外交官や官民組織などの参加者がリアルタイムで接続され、「デイーセント・ワーク」のためのマイクロファイナンス、アフリカにおける協同組合やマイクロインシュランス(小規模保険)、社会的企業とJICA 、日本生活協同組合連合会の活動など、ソーシャルエコノミーの様々なテーマが取り上げられました。
ソーシャルエコノミーとは何か?
ジュネーブに本拠地を置くILOがまず、社会的経済の実用的定義を述べました。「ソーシャルエコノミーとは、経済的・社会的目的並びに連帯の促進を追求しつつ、財・サービス・知識を生産するという一定の特徴を有する企業及び組織を指す概念である。具体的には協同組合、共催組合、協会、財団及び社会的企業を指す」とILO COOPAfricaプログラム統括責任者、フィリップ・ヴァン・フェネガン氏がダルエスサラームから説明し、先月ヨハネスブルグで開催されたアフリカ・ソーシャルエコノミーに関する会議について報告。
続いてアデイスアベバから、ILOアフリカマイクロファイナンス専門家、ジュデイス・ヴァン・ドールン氏がILOの世界的プロジェクト、「デイーセント・ワーク実現に向けたマイクロファイナンス」について話しました。「デイーセント・ワーク」は、ILO定義によると「自由、公平、保障、人間としての尊厳が確保された条件の下で、人々にディーセントで生産的な仕事を得る機会」。
プレゼンテーションは次々と進められ、エチオピア協同組合専門家、アベイ・メヘルカ氏が「協同組合」を説明――「経済的、社会的、文化的といった様々な共通目的のために、個人(あるいは中小企業者等)が集まり、組合員となって事業体を設立して共同で所有し、民主的な管理運営を行なっていく相互扶助組織」。エチオピアにおける協同組合の発展や、国際コーヒー市場への進出について説明し、組合の社会的・経済的利益を強調しました。
さらにアデイスアベバからILO マイクロインシュランス(小規模保険)プロジェクト責任者、ユセフ・アセフア氏が、アフリカでは新しい概念であるマイクロインシュランスについてプレゼンテーションを行いました。「マイクロインシュアランスという保険が付与されることにより、金融機関からワーキングプアや低所得事業への融資が容易になり、結果として、借入人の信用力の向上、企業家精神、ならびにイノベーションを喚起し、彼らを貧困から救い出すのです」
東京では、独立行政法人 国際協力機構(JICA)国際協力専門員・上田隆文氏が、大分で生まれた「一村一品運動(OVOP)」による社会経済開発を紹介。 地域経済振興コミュニテイが、地元資源に付加価値をつけることで外部マーケテイングを促進するもので、「協同組合や事業、自助グループ、NGO、生産者などで構成される社会経済開発」と説明し、JICAの協力によりアフリカで展開中の一村一品運動について話しました。
同じくTDLCより、日本生活協同組合連合会 国際部部長天野晴元氏が、生協会員に供給される食品や栄養、健康、環境、地域とのネットワークなど生協の活動や、法人企業との違いなどを説明。
プレゼンテーション終了後、東京会場の質疑応答に続いて長谷川真一ILO駐日代表がビデオ会議を締めくくりました。「ソーシャルエコノミーの様々なテーマを網羅した良いセッションだった」
TDLCは今後も引き続き、国際的な専門家を一堂に集め、ビデオ会議やイベントを企画していく所存です。
