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2010年11月24日

2010年 ビデオ会議レクチャーシリーズ 「世界雇用危機下のアジアの課題」 前半リポート

国際労働機関(ILO) 駐日事務所と青山学院大学、世界銀行 東京開発ラーニングセンター(TDLC)による全6回の2010年ビデオ会議レクチャーシリーズ 「世界雇用危機下のアジアの課題」の前半3回が10月から11月上旬にかけて開催されました。

ILO駐日事務所の長谷川代表および林次長よりILOの活動概要やディーセント・ワークの概念を説明後、毎回ILO本部またはILOアジア太平洋総局の専門家によるレクチャーが実施されました。

第1回目はILO本部・国際労働基準局で法務官として活躍している三宅伸吾氏より、国際労働基準の概要および条約の定義、目的、政策の説明。またILOのその適用監視活動、監視のメカニズム、効果などのプレゼンテーションが行われました。

第2回目はILO本部・多国籍企業部の荒井由希子氏が、CSRの世界の動向とILOのアプローチについて講義。ILOが所管している労働分野の権利に関するCSRについて、多国籍企業や政府の役割をILOの視点より講義。荒井氏はCSRは各企業の価値観を表し、その価値観をどのように実践するかが重要で、企業のコアビジネスに直結しているCSRの位置づけが持続可能な活動につながると指摘。プレゼンテーションはILOのCSRを通じたディーセント・ワークの促進や雇用の最大化を図る活動を中心に進められました。また、ILOとIFC (International Finance Corporation)の共同プロジェクト「ベターワークプログラム」も労働CSRに関連する分野の成功例として紹介されました。荒井氏の講義の模様は、下記リンクのビデオアーカイブにてご視聴いただけます。

CSRとディーセント・ワーク: 世界の動向とILOのアプローチ(英語)
ILO本部 多国籍企業部 シニア・スペシャリスト 
荒井 由希子
 

第3回目はILOアジア太平洋総局、労働安全衛生専門家の川上剛氏が、アジアにおける労働安全衛生分野のILO技術協力について紹介されました。この回のレクチャーは、川上氏の講義を参加者にオンラインで事前にご視聴いただき、当日は事前に参加者から集めた質問に川上氏が答える質疑応答を中心としたレクチャーが進められました。ILOが取り組んでいる「中小企業参加型トレーニング(WISE: Work Improvement in Small Enterprises)」や「家内労働職場参加型トレーニング(WISH: Work Improvement in Safe Home)」の実例を基に、川上氏は労働安全衛生のアジアでの活動内容を写真やイラストを使用して具体的に紹介。参加型トレーニングの進め方の基本姿勢は、「現場で働く労働者の自助努力を一番に尊重し、専門家および行政がそれを後押しするアプローチ」と川上氏は述べました。また、アクションチェックリストなど具体的にすぐに使える簡単なツールやグループ討論、経験交流など現場の労働者主体で職場改善、生活改善を進め、地道な活動が大きな成果につながると説明。現場だけではなく、政策レベルでの活動も行っている川上氏に多くの質問が寄せられました。

「世界雇用危機下のアジアの課題」というテーマを軸に、ビデオ会議システムを使ってILOの活動を6回に渡って各分野の専門家が講義する本シリーズは、学生の参加者を中心に、行政関係者やNGO、民間企業など様々な分野からの参加者が毎回50人前後集まりました。ビデオ会議を通し、現場で活躍する専門家の話が直接聞ける講義内容に、参加者からたくさんの反響が寄せられました。国際的な労働問題についてわかりやすく理解できる内容で幅広い層の方々にとって有意義なレクチャーシリーズとなりました。

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